panya

私は、大学時代に、百貨店の中の地下食料品売場にあるパン屋さんでアルバイトをしていました。

仕事の内容は、主に接客販売でした。

パン屋さんでのアルバイト:仕事内容

レジに立ってお客さんからトレイに載ったパンを受け取り、そのパンの値段をレジに打ち込み計算しながら袋に詰めていく作業です。

それ以外には、厨房から焼き上がったパンを並べたり、使い終わったトレイを拭いたり、さらにはレジ閉めや、閉店後の片付けなどがあります。

営業時間中に「焼き上がりました?」などの声掛けもありました。

パン屋さんのアルバイトで大変だったこと

振り返ってみて辛かったことが、ほとんど思いつきません。

強いていうなら閉店後にトレイを一つひとつ洗うのですが、冬場お湯が出なかったのでかなり水が冷たかったことくらいです。

あとは百貨店ということもあり、しょっちゅう衛生講習やマナー研修があったので、それが面倒でした。

パン屋さんのアルバイトで良かったこと、メリット

逆にやって良かったと思うことならいくつもあります。

まず同じ年代のアルバイトの子たちが多かったので、ある意味サークルみたいなノリで通っていました。

当時の副店長も、高校卒業後すぐに就職して数年の人だったので、年も変わらず非常にやりやすかったです。

売れ残ったパンをもらえた

それと非常に助かったのが、閉店後に売れ残ったパンを持って帰れたことです。

このパン屋さんは全国各地にあるわりとブランド力のある店で、販売している商品も、コンビニのパンなんかに比べて2倍近くする値段が付けられていました。

別にそれを狙ってアルバイトを決めたわけではないのですが、副産物として非常に嬉しかったです。

家族もパン好きだったので非常に好評で、当時我が家の食卓に、アルバイト先のパンが並ぶ率は非常に高かったです。

そして、アルバイト先が祖母が1人で暮らすマンションに近かったので、いつもアルバイト帰りに寄ってご飯を食べて帰っていました。

おばあちゃん子の私にとっては、恵まれた立地のアルバイト先でした。

パンの魅力に触れることができた

そして、一番このアルバイトをやって良かったと思ったのが、パンの魅力に触れることができたことです。

今でも長く続けている趣味のひとつです。

それまで、とくにそんなにパンが好きなわけでもなかったのですが、あの単なる小麦粉がなんやかんや、こねられ丸められ焼かれ、こんなに素敵なものに変わるんだと気づいたら愛おしくてたまりません。

焼き上がりの芳しい香りと色はグングン私を惹きつけました。

パン作りに没頭した

興味が高じ、厨房のパン作りを手伝わせてもらった時は、本当に夢中で没頭してしまいました。

そして、自宅でもパンを作ってみたくなり、バターや小麦粉を揃え、パン作りに必要とされるスケッパーやゴムベラなどの器具も買い揃えて行くようになったのです。

まず最初は、本に書いてあったとおりにフランスパンを作ってみたのですが、でき上がったものが本当に固くて、おまけにマズくてなんでこうも違うんだろうかとガッカリしました(笑)

しかし、散々売れ残りのパンを食べている自信の味覚を元に、少しでもアルバイト先の味を実現できるように、時間を見ては自宅でパン作りをしました。

アドバイスをもらいつつ、パン作りに励む

もちろん厨房担当の人にも、何度となくアドバイスを貰いました。

そして苦節約4ヶ月、やっと納得のできるフランスパンを作ることができたのです!

こんなに夢中になって何かに打ち込んだことは人生初でした。

色々な種類のパンを作った

それだけでは飽きたらず、次は食パン、それが納得できたら次はクロワッサン、というふうに種類を変えてパン作りを続けました。

この時期、一番大変だったのは、家族だと思います。

なんせ売れ残りで持って帰ってくるパンに加え、私が試行錯誤して作り出したパンも食べなくてはならかったのですから(笑)

アルバイトもパン作りも順調に続け、大学3年の秋になった時、就職活動でパンに携わる仕事もやはり選択肢にありました。

しかし、昔から趣味を仕事にしたらダメだと聞きますよね?

そんなわけで、一般企業の営業職に就いたのですが、私とパンの出会いは、このアルバイトをしていなかったら一生なかったと常々感じます。

「本当にパン屋でアルバイトをして良かった」と、今では自信を持って言えます!